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　京の都に軍旗を立て、将軍様を御助け申し上げて天下に号令を発する。甲斐の武田信玄が、上洛の軍を発する場面を描く時、よくこのような感じの描写があります。室町幕府15代将軍足利義昭の要請により、既に将軍を擁して京都を掌握していた織田信長を打倒して天下人となる、そんな武田信玄と織田信長の争いが起きた元亀3(1572)年から20年ほど前、既に京都で足利将軍と争ったり和解したりしながら室町幕府の運営を担い、天下人として知られた三好長慶という人物がいました。曾祖父三好之長が11代将軍義澄と管領細川澄元を擁して天下の執事の役目を担って以来、三好家は足利義澄系と細川澄元系勢力の中心となり、室町幕府内の覇権争いで重要な役割を果たし続けました。長慶により、室町幕府内の争いは一旦おさまりましたが、彼の死から間もなく起きた混乱を機に、室町幕府は滅亡へと向かいます。室町時代の末、束の間ではありましたが室町幕府に最後の安定をもたらした天下人、三好長慶。之長などの肖像画に描かれている、三好家が代々受け継いだ「三階菱に五つ釘抜」の家紋。阿波国の特産品である藍で染めた、藍色の地に白抜きの紋というイメージでデザインしてみました。